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【人間の怖い話】第十四夜 ショートメッセージ (ゲスト メンディ中村)

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写真)ピクサベイ:https://pixabay.com

 

これは私が20代のころのお話。

特定を防ぐために少しだけフィクションを交えています。

 

私には20代のほぼすべてを捧げた彼がいました。



でもね、なんかおかしいの

9年も付き合ってきたはずなのに

結局彼のことを何も知らない



思い返せば彼とのエピソードは説明のつかない不思議な事ばかり

その数々の出来事の中から一つだけ、あなたにお話します。







彼は10歳年上。

もともとファザコン気質なわたしは、同年代にはない彼の包容力に夢中になっていた。

わたしの発言する言葉の端々から敏感に気持ちを感じ取り、「なんか今日暗いね。どうしたの?」と聞いてくれるような優しい人。



わたしたちは毎晩30分ほど電話することが習慣だった。

これといった話題はなくても今日の出来事やたわいもないことを報告しあった。



とある日、彼との電話を終え寝ようとしたそのとき

 

「♫」

 

わたしの携帯が鳴った。

ショートメッセージだった。

 

携帯を開いて確認した私は、その場に固まった。

「…なにこれ…?」



いつも電話のあと彼から送られてくる「おやすみ」のメッセージかと思ったのに。

そこに書かれていたのは短いこんな一言だった。



「別れて」



別れて。

徐々に事態を把握した時、背筋に冷たいものが走った。




…誰なの?!




ショートメッセージとは、携帯番号同士で送るメッセージ機能。

でも…無いの。

どこを見ても相手の携帯番号が載ってないの。

誰から送られてきたか、わからないの。



さらに不気味だったのが

当時(約15年前)のショートメッセージサービスは受け取り側が通話中や電源をオフにしているなど「送れない場合は戻ってきてしまう仕組み」だということ。

 

ということは

この送り主はわたしが電話を終えたことを把握している。



どこからか誰かに覗かれているような気がして、とっさに部屋のカーテンをしめた。



当時チェーンメールというものが流行っており、きっとこれもそうなんだろうと

今にも泣き出しそうなほどの恐怖に気づかないフリをした。




それからというもの、3日間このメッセージが送られてきた。

しかも、相変わらず彼と電話を切ってすぐのタイミングで。



もうターゲットは不特定多数じゃなく、間違いなくわたしだ。

送り主は「わたし」に向けて「別れて」と言っている。



チェーンメールでないとすれば…考えられるのはひとつ。

 

…彼が浮気している?

 

浮気相手である女性が、彼の携帯からこっそりわたしの携帯番号を盗み見て嫌がらせをしている可能性も…ある。



まさか…ね。



浮気の可能性がチラつき、彼に相談できず悶々とした日が続いた。




急展開を迎えたのは次の日だった




 


 

いつもの電話中、察しのいい彼は相変わらず「どうしたの?元気ないね」と聞いてくる。

「実は彼が浮気してるかもしれないって知って~ハハッ」

なんて言えるわけもない。

 

ちょっと調子が悪いの、ごめんね。といって早々に電話を終えた。

通話を終え、携帯を置くか置かないかくらいで

 

「♫」



きた。

一体いつまで続くのかな…と考える余裕さえ出てきて、ちょっと慣れてきてしまった自分も怖かったけれど。

慣れた手つきで携帯を確認する。



次の瞬間、私は画面を見て止まる。

 

「えっ…」




そこにはこう書かれていた。







「 彼 は 悪 魔 」




…思ってたんと違う…!!!!!!!

 

彼は悪魔

彼は悪魔

彼は悪魔

彼は悪魔

彼は悪魔




あたまがぐるぐるする。

…わたしは完全に勘違いをしていた。



「別れて」という言葉はわたしへの嫌がらせや妬みじゃなく

わたしに向けた「良心的な注意喚起」だったのだ。



メッセージの送り主は

「彼は悪魔。別れたほうがいい」

と言っていたのだ。



もはや自分の中で消化できず

さっきまで話していた彼に再び電話をした。



「どうしたの?」

穏やかな声が妙に不気味に響く。

彼は無言でわたしの話をきいたあと、静かにこう言った。




「心当たりがある もう心配しなくていいよ」





その言葉どおり、次の日からピタリとメッセージはこなくなった

 

どういうことなのか何度か問い詰めたが、詳しくは話そうとせず

過去に付き合っていた女性のいたずらだったことだけ教えてくれた





彼が…悪魔?



んなばかな

そう思いたかったけれど、過去一度だけ彼がポツリと呟いた言葉を思い出した。



「俺は多分、死んだら地獄に落ちるよ」



その時はなぜそんな事を言ったのか理解できなかったけれど

今なら何となく分かる。



 

彼はわたしによくお金を借りていた。

 

遠くに住んでいる彼の親友が亡くなり、旅費を立て替えたり

彼の親が銀行から引き出した頭金を落としてしまい、急ぎだからと立て替えたり



彼にたびたび起きる「予測できない突発的な出来事」のせいで、わたしが彼に貸したお金は合計300万を超えた。



メッセージを送ってきた「彼女」もきっと彼と金銭トラブルになったひとりで

次の被害者が出ないようにと、わたしにあんなメッセージを送ってきたのだろう。

なぜ私の携帯番号を知っていたのかは今もわからない。

 

その後も小さな不信感が積み重なり、私の我慢も限界に達した頃

電話で一方的に決別を告げた。

 

 

引き止められ、相当泣かれたりもしたけれど、半ば逃げるように連絡を断った。



彼と別れたあと、周りの友人にはさんざん「騙されたんだよ」「結婚詐欺じゃんそれ」と言われたけれど

 

一緒に行った平井堅のライブで「even if」を聞いて号泣するような

感受性豊かで優しい人だった。

 

実は今もわたしは、彼を信じる気持ちと疑う気持ちの間で揺れている。



いや…彼を詐欺師と認めてしまうのが怖い。

認めたら背骨から崩れ落ちそうなほど自分が崩壊しそうで。



彼はこうしたわたしの心の葛藤すら計算高く利用し、自分に法の手が及ばないようにしているのかもしれない。

 

メッセージを送ってきた元彼女も、わたしと同じ葛藤に悩まされているのかもしれない。



風のうわさで聞いた。

わたしと別れてわずか2日後、彼に新しい彼女ができたことを。






それがあなたではないことを…祈るばかりだ。

 



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